臨床検査技師ってあまり聞かないけど、どんな仕事してるの?給料はいいの?男女比は?仕事は辛い?
こんな疑問に答えます。
自己紹介健診→治験→病院勤務を経て一転してフリーランスを目指す。医療の現場で15年以上臨床検査技師として働いていました。もちろん検査キットも、大量に使いました。エビデンスをもとに検査技師として検査や病気について、専門用語は使わずにわかりやすい記事を書いています。
この記事でわかること
- 臨床検査技師の一日
- 臨床検査技師の環境
- 臨床検査技師の給料と将来
臨床検査技師の一日
まずどの会社に入るかによって変わります。臨床検査技師が他の医療従事者よりも資格上優れている点は、就職先が多い事です。
これに関しては一概にメリットとも言えませんが、就職先が病院オンリーよりはいい事でしょう。
臨床検査技師が資格を生かして就職可能な就職先
就職先病院
健診センター
製薬会社
研究機関
警察
治験施設
検査センター
検査機器メーカー
検査試薬メーカー
検査システムメーカー
検査学校
まだあるかもしれませんが、ざっくりこんなこんなところでしょうか。
検査は検査するだけではなく、検査に関わる部分であれば就職可能です。その就職先で検査をするのではなく、検査の知識で商品を紹介販売したり、システムの構築をしたり。
化粧品会社の研究というのも就職先としてはあります、警察も私が卒業の時募集がありました。
公務員にもなれます。公的病院に就職すれば、地方公務員です。私も昔、市営の病院に勤務していました。
では私が勤務したことのある、勤務先がどうだったのか紹介します。
病院の一日
どの分野に配属になるかによって業務内容は大きく違います。またその病院規模によっても異なります。
病院規模としては、クリニック<小規模病院<中核病院<大学病院
といった感じで病床数が増えていきます、病院規模によって検査技師の与えられる業務はかなり違います。
大学病院(500病床以上)
大学病院であれば、専門特化していくのが一般的で、分野毎に細分化されます。生化学検査、生理検査、病理検査、とかで分類分けされ基本的には他の分野の業務はしません。
もちろん色々とやるところもありますが、それぞれが専門特化するので他の分野に行ってかんたんに検査できません。
専門が長いと、検査技師なのに生理検査(心電図など)は出来ない人も結構います。
この場合の業務は、ひたすらにその業務だけ行います。一日中輸血だけを、ずっとやっていたりします。
そして勉強をする時間が結構取れるイメージです。専門特化していくには勉強しないと無理ですから。そしてダブルライセンスとして、認定試験を目指していくのが一般的かと思います。
中核病院(200~400病床程度)
この場合は2パターンあります、マルチに色々と検査する場合と、専門特化する場合です。
勤務人数と業務範囲によって、違ってくるとは思いますが科長次第な部分も大きいです。
何か所か出来るようにするのが、一番効率のいい科の運用でしょう。私は科長として業務をしていたこともありますが、1人3部署くらいが一番効率がいいと思っています。
スペシャリストではなくジェネラリストを育成するイメージでした。
なので、例えば、採血と生理と輸血。そんな感じで出来る分野をローテーションで回る感じです。
なので飽きないのがいいところではありますが、専門知識が付きにくい部分があります。もちろんその中でもどこかに力を入れて、認定資格を取得する人もいます。
クリニック(19病床以下)
私は勤務したことがありませんので、友人から聞いた話になります。
クリニックの場合は何でもやります。これは人に聞いた話ですが、検査から、採血、生理機能、医事会計、車の洗車。何から何までやります。
洗車はよくわからないですが、やってると言ってました。
患者の送迎と、車の洗車なのでしょうか?私もよくわからないですけど、とにかくスーパージェネラリストになります!本当にそうか?
健診の一日
私が一番初めに勤務したのが、健診を行っている企業でした。
もう一日中心電図をひたすらにとったり、一日中尿検査をやったりと、とにかく数を物凄くこなします。
工場の部品にでもなったかのように、ベルトコンベアー式に受診者をひたすらに検査します。そんな気分にさせられました。あくまで私見です。
一日100人以上の心電図をとったり、500人以上の尿検査をしたりととにかく数が凄い。めまいが良くしました。
そして朝が早い!基本的には早朝からバスにのって健診場所までゆられます。そして着いたらセッティングを速攻で行い、検査しまくります。
速さが勝負です。そして早くやらなければいけないのに、間違えたらいけません。私には向かなかったなぁ。
でも毎週、もしくは毎日違う場所にいけるので飽きません!
検査センターの一日
これもどこに配属になるかで、違ういます。
私の先輩は、営業に配属になって全国各地でFMS(検査室業務共同運用方式)を展開しています。
北海道から沖縄まで、これはこれで色々行けていいなぁって思いますが、仕事が苛烈を極めているようで、一時期半年で20kg痩せていましたね。
でも私も将来やってみたいなと思っています。検査機器とシステム、検査室運用、に猛烈に詳しくなれます。
でもこれはレアパターンでしょう。
検査技師として検査センターに入った場合は、検体検査を行うのが一般的です。学生の頃に検査センターでバイトいていたことがあります。
当時学生なのに時給1300円とかなり良かったです。無資格なのに。(当時セブンイレブンは750円でした)
やる内容は、とにかく検体検査。ひたすら一日中。雑務も多かった、掃除と検体の整理と。正直同じことの繰り返し過ぎて私には向かなかった。
工場とかでひたすら仕事が出来る人、もしくは好きな人いると思いますけどそんな方にはおすすめですね。
でも今は色々自動化されています。検体搬送から測定まで自動な部分も多いので、血液像の目視(資格ないとダメでしょうけど)などが人の部分でしょう。
機器に関わる場合、機器メンテナンスに特化した方などもいます。
臨床検査技師の環境
包み隠さず申し上げます。
病院では医師はヒエラルキー(序列)の頂点にいます。次に看護師。次に医療従事者と事務でしょうか。
正直、古臭い体制です。この辺は今色々と問題視されてきて、パワハラやサービス残業の部分も改善されるかもしれないと言ったところです。
あまり期待できないですが、これは世の中次第でしょう。
今後は医師の労働基準も導入され、そうなると色々変わってくるでしょうが。
私が勤めていたところでは、看護師が上とかはなく医師以外は同じような感じの病院もありましたけど、ヒエラルキーがはっきりとある病院も多いですね。
あとはサビ残の多いのも病院です。医療従事者は奉仕の心というのを学校レベルで植え付けられます。やや語弊があるかもしれませんが、人の命を救おうっていう人はボランティア精神が人より多いんですよ、たぶん。
まぁそこに、付け込まれている社会体制があると思います。あくまで私見ですが。これからの皆様が就職するときには改善されていることを、切に願います。
そして男女比ですが、学校でもそうでしょうが女性が多いですね。男:女=3:7と言ったところでしょうか。
臨床検査技師の給料
ピンキリです。どこでもいえることでしょう。検査技師に限らず。
私の初任給は月23万円でした。高いのか低いのかわかりません。次の病院では月22万くらいでしたね。
科長をやっていたころでも、年収600万程度。今の病院は科長で750~950万くらいでした。
因みに検査センターの先輩は、年収1000万を超えていました(営業)。でも他の検査センターで働いていた同期はずっと月20万程度でした(検体検査)。
なのでピンキリです。当てにならないですね、すいません。
まとめ
検査技師はいいですか?と聞かれると難しいです。私は今は中核病院で科長補佐、来年科長です。年収750万くらい。
今後は営業でもやってみたいと思っています。やりたいことをやらせてもらえる環境に私は満足しています。
質問があれば、お気軽に問合せ先から連絡下さい。可能な限り質問に答えます。
今の時代、一つの仕事に固執するとダメだと思っていて、ホリエモンが言うような1万分の1の個性を獲得したいと思っています。
AI時代、ホリエモンと落合陽一さんが出てる「10年後の仕事を図鑑」でも言っていますが、消える仕事に医師が入っています。医師がなくなるのであれば、臨床検査技師もなくなるでしょう。
でもその過程で得た経験は、無駄にはなりませんし医療というのは利権が凄いので、そう簡単にはオールAI化出来ないと思っています。システム的には出来ても、政治的に出来ない。
でも本当に10年後なんて誰にもわからないのです、5年後だって来年の事だってわかるわけないのです。
可能性の話をしているだけですから、そんなに心配しないでいいと思います。
面白い本なので紹介して起きます。