・将来なくなってしまう仕事なの?
・AIが入ると今後どうなる?
・医療全般は安泰なの?
・検査技師の業務はどのように変化するの?
自己紹介健診→治験→中核病院。
以前は、検査科科長もやっていました、現在は病院経営課長をしています。
エビデンスをもとに検査技師として検査や病気について、専門用語は使わずにわかりやすい記事を書いています。
AIがドンドン進化していき、私たち人間の仕事がとられてしまうという漠然とした恐怖を感じますか?
私自身、AIが何処まで出来るのか?そんな疑問から色々な本を読みました。
その結論を、お話しできればと思います。
臨床検査技師の将来性
結論、検査技師の将来は明るいと、断言します。
AIが日々進化するなかで、今後の見通しは医療業界に関わらず不透明です。
そんなかでも医療系はやはり強いと、思われる点を挙げていきたいと思います。
【将来性のある職業のランキング】
1位 エンジニア
2位 介護士
3位 看護師
4位 営業
5位 心理カウンセラー
とかになっているようです、トップ5の3つが医療関係ですね。
一般的にも医療業界は、将来性のある職業だと思われているという事ですね。
医療業界が消えない事と、検査技師はまだまだいけるということを記載します。
医療は消えず
平均寿命が延び100年時代なんてワードも、最近では良く耳にします。
これに関しては年金関連から生れ出たワードだと、個人的には思っていますが。
しかし決して的外れではなく、2050年には女性の平均寿命は90歳。と内閣府で出しています。
その中で、健康寿命を延ばそうよって働きが少し前から始まりました。生きているだけではなく、健康に長生きすることが目的になっているのです。
それに関しては、医療は不可欠なわけです。人間の本能と本質が医療を必要としているわけです。
ですので、業界全体の見通しは明るいことには間違いありません。
AI時代に資格者の立ち位置
今後AIがドンドン高度になっていくのは、確定未来でしょう。
こちらの本では、医師もAIに変わると言われています。
最終的には私もそうだと思います、しかしそれがいつなのかというと10年では来ないと思います。
医師は国家資格の中では、日本の中では最強クラスです。というかTOPですね。
技術的には可能でも、資格のもたらす恩恵を医師は手放すわけありません。
他の業態の利権も複雑に絡んでいます、そう簡単には変化出来ないと思っています。
結局、変わりずらい部分と変わりやすい部分があります。
対人の有資格の業態は変化が一番最後と言われていますが、その資格の中で断トツ変わらないのが医師でしょう。
医療は守られています。
その守られている間に、AIとの付き合い方は学べるはずです。
その変化は10年後かもしれないし、もっと先かもしれません。
でも世界は常に変化するのですから、30年、40年、半世紀ずっと安心なんてありえません。怖いのはサドンデスです。
いきなり明日から仕事がないのは、困ります。
変化に対応できる能力は必要です。人間が一番生物の中で高い適応能力を持っているいます、ですから存分に生かしましょう。
AIの得意分野
AIにも得意分野と不得意分野が存在します、なんでもできるわけではありません。
将来的にはなんでも出来てしまうかもしれませんが、10年や20年ですべてが出来るようにはならないでしょう。
当然、AIの得意分野からAI化されていくことは簡単に予想できます。
なので、AIが得意そうな分野は将来危ない仕事になりますね。
【AIの得意分野】
- データからの単純作業
- データを正確に処理すること
- データの照合とパターン化
などと言われていて、つまりデータからパターンが出来ている仕事、業態として成熟した業務はAIが得意な訳です。
レジ打ちや、確定申告、スポーツの審判、将棋、チェス。
逆に苦手なのが、クリエイティブなモノやあいまいなモノ。
2019年のセンター試験では、200点満点中185点を獲得し偏差値64.1。
かなり凄い偏差値です!
今までは言語分野が苦手とされていましたが、対応し始めています。
医療どころか、すべての分野でAIは仕事をしてくれそうです。
今後は、一つの仕事ではなく、幅広い横の壁を壊すような働き方が求められる時代になりそうです。
網羅的な処理は、AIは苦手ですからね。
臨床検査技師の幅の広さ
私が技師として一番好きなのは、就職先の多さです。検査内容も広いですし、対人検査もあります。
診療放射線技師や理学療法士などは、病院以外の就職先があまりありません。放射線なら医療機器メーカー、理学療法士なら訪問看護かスポーツトレーナーとか。
それに対して臨床検査技師は
- 検査センター
- 健診
- クリニック
- 機器メーカー
- 試薬メーカー
- 製薬メーカー
- 美容関連企業
- 治験
- 医療コンサル
とそれぞれの分野も広いです。検査機器メーカーだけでも無数にあります。
残る可能性の選択肢が多いだけでも、有利です。
そして、全部だめでも色々な経験を積んでいればその先も経験を活かした仕事がきっとあります。
同じ業態に20年いるよりも、色々の仕事を経験して3年で6業態の方が圧倒的にレアリティーが高いです。
スペシャリストを目指すと、その分野のTOP10にならないといけません。TOP10に入るくらいじゃないとスペシャリストとは言いません。
これはいばらの道、そして先人に勝つのは難しいです。
しかし、ジェネラリストならば健診、治験、病院、センター、化粧品会社、製薬メーカーと経験を積めばそんな珍しい人いません。
ナンバー1ではなく、オンリー1になれます。オンリー1はレアリティが高いです。レアリティが高いということは生き残れます。
私も健診、治験、小規模病院、公務員、中核病院、ブロガーとレアリティを高めています。
ポイントは5000時間の労働です。5000時間同じ仕事をすれば、一人前です。およそ3年ですね。
それ以下だとプロと呼ぶには弱いです。
その道のプロになって、掛け算でレアリティを高めていくことが生き残る一番簡単な道だと思っています。
臨床検査技師は明るい
検査技師面白と思いませんか?3つの点から進めました。ポジショントークにも少しなっていますが、それほど検査技師に肩入れしていません。
最初私も、給料に囚われてあっちのが多いとか気にしていました。
そんなことは、大したことではありません。楽しんだ方が勝ちです。私は月に自分にかかるお金なんて10万くらいです。食費込みで。
そのくらいならどの仕事でも貰えます。なので、楽しい仕事を、自分の好きな仕事をした方が断然いいです。その仕事は次が繋がります。
その選択肢が多い事が、メリットです。検査技師に興味が沸いたらやってみるといいです!やってみたいと思ったのだから。
しかし楽しそうなら、検査技師辞めて別な業態に行くのもいいです。本末転倒ですが。。。
私はまだ行ってない業態あるから、後10年くらいは技師でしょう。
今後の検査は?
今までの歴史から見ても、自動化がドンドンと進んでいくでしょう。
検査技師として将来予想を赤裸々に書いていきましょう。
検体検査
昔イノベーションが起きた分野ですね。生化学検査は自動化されました。それでもまだ人の手を必要とはしています、結局人件費よりも機械が安くなれば自動化されます。
今では、遠心分離や検体搬送、検査データの確認も人の場合が多いです。
しかし、検体が来たことによる事務処理は自動化できていますし、搬送に関しても自動化できています。まだコストが高いのと、故障の対応が大変なのでほとんどの病院では導入されていません。
大学病院などでは、一部入っていますね。あとは人が極端にすくない、北海道とかも自動化されています。
検査データの確認も、自動化は出来ます。これは検査技師のプライドのせいか中々自動化しませんが、検査センターでは自動化が当たり前です。
採血業務
採血が検査技師の病院はどんどん増えていますね。人件費の問題というよりも、看護師不足が看護業務の縮小を進めていると思います。
それに採血管にも詳しい検査技師は、採血業務にはもってこいですね。
しかしデメリットもあります。
コンプライアンスを重視すると血糖負荷試験などの場合、薬を飲ますことは出来ません。看護師に依頼することになるので、二度手間の場合もあります。
でも今後も検査業務として増えていくでしょう。
採血自体がなくなると思います。これはかなり先にはなるでしょうけども、血糖を採血なしで測定する機器を大阪のベンチャー企業が買いました。
針を使う事なく血糖測定できるのは、患者と病院にとってメリットしかありません。医療廃棄物は出ない。手間もない。針刺し事故もない。
血糖指導などなくなるかもしれません。
これが進化したら、採血がそもそも要らないかもしれません。一般的な血液検査は非侵襲的に検査が終わります。
検体採取
検体採取が検査技師でも出来るようになりました。これは検査にとってはまた業務範囲拡大出来る案件で、いいことでしょう。
しかし、実際には実施されている施設は少ないですね。
一部検体なので、外来や処置室で看護師がそのまま採取してしまうことが多いようです。私の調べでは、県内に1施設しか見当たりません。
普及しない気がする。
生理機能検査
生理検査は今は強いですね。
そして自動化しづらい分野でもあります。超音波検査は侵襲性が少ないため、CTの変わりに良く用いられます。
今行っている職種としては、医師、検査技師、放射線技師が多いです。
実は看護師もこの業務には入れるのですが、実際現場では看護師としては慢性的な人手不足なので生理検査まで手は回らないでしょう。
最近では、画像診断部として検査と放射が合体した科がある病院もありますね。
超音波検査もCTとの連動などの技術も出ており、イノベーションが起きやすい分野です。機器が良く売れているんものは進化も早いわけです。
選択と集中が起きますから。CTとの連動がより進めば放射線技師の方が有利ですね。
大きく変化が起こるとすれば、全く新しい技術にとって代わるか。エコー自体が自動化されるかもしれません。
測定画像はそのうち自動判定にはなると思います。パズル型の分野はAIが入りやすいですから。
自動化されるタイミング
自動化とは過去の事例からもわかるように、人件費の高騰が起きて人を雇うよりも機械を導入した方が安い場合に起きます。
どこまで行っても、コストが産業を動かします。
第1次産業革命しかり、生化学自動化しかり。
中国では、生化学と免疫が1台で出来るような機器展示があったようですね。これは近未来。
中国は水が悪いので、あまりデータ良くないようですけど。
20年くらい経ったら出来そうだけど。
生化学、血液、尿、免疫、輸血、全部が一つの機会で検査できたら、スペースも取らないし人も1人で出来可能性もありますね。
そうなると人手は要りません。でもまた新しい検査が生まれているかも。
検査技師の将来性まとめ
最後は否定的な意見も織り交ぜて見ました。
しかし、臨床検査技師の業務の広さは圧倒的財産です。
幅の広い仕事からは、独自性が生まれやすく時代の変化にも対応しやすいです。そもそも検査技師の特性として器用貧乏な資格ですから。
例えば今研究されているのが、血液1滴で複数の「がん」の検査ができるというもの。しかも今ある腫瘍マーカーの感度を、はるかに超える物。90%以上らしいですね。
線虫をつかった尿1滴からがんのスクリーニングが出来る検査も出てきました。
線虫は精度管理の問題をクリアしそうにありませんが、、、。
もしくは、先ほども言った採血不要の検査。
これらは、検査の仕事の手間を減らすでしょう。でも検査の仕事を奪うものではありません、空いた時間で他の仕事をするべきです。
必要なのは心構え、これは検査技師とかではなくどんな仕事でもです。
なので、なるべく自分が楽しいと思える仕事について、どんどん吸収していきましょう。人間の性能はAIに劣るわけありません。そんな捨てたもんじゃないです。
それでも心配な場合は、色々と情報を得ておくことが、人生のおおきな財産になると思います。
仕事は色々とあります。
あなたに向いている仕事は、病院だけとは限りません、一度知見を広げるのも経験です。
選択肢が多いこと自体が、心にゆとりを与えます。
\業界最大手/