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【図解】血管年齢の調べ方|臨床検査技師が費用・検査を解説

血管年齢の若返りを目指す人が知るべき正しい検査の選び方

健康診断で血圧やコレステロールを指摘された、あるいは親が脳梗塞や心筋梗塞を経験した——そんなきっかけで「血管年齢」が気になる方は少なくありません。調べ方はショッピングモールの指先測定から医療機関の精密検査までさまざまで、費用も精度も大きく異なります。この記事では、臨床検査技師の視点から、血管年齢の調べ方・費用・数値の見方、そして「数値に振り回されないための考え方」までを整理します。

この記事でわかること

  • 調べ方は大きく4つ: CAVI・baPWV・ABIの血圧脈波検査と、指先の簡易測定があり、精度がまったく違います。
  • 費用の目安: 保険適用なら3割負担で約300〜400円、自費ならおおむね1,500〜3,300円が相場です。
  • 数値だけで判断しない: 血管年齢は「目安のスコア」です。1回の数値ではなく、血圧やコレステロールなど他の指標と推移で見るのが正解です。
目次

そもそも血管年齢とは?数値の「考え方」と限界

血管年齢とは、動脈の硬さ(動脈硬化の進行度)を、同じ性別・同じ年代の健康な人の平均値と比べて「何歳相当か」に換算した指標です。たとえば実年齢50歳の人の血管が、平均的な60歳の人と同じ硬さであれば、血管年齢は60歳と表示されます。

仕組みの中心にあるのは「脈波」です。心臓が血液を押し出すたびに、その拍動は波となって全身の動脈に伝わります。血管が柔らかいと波はゆっくり伝わり、動脈硬化で硬くなると速く伝わります。この速さや波形から硬さを推定し、年齢に換算しています。

ここで押さえておきたいのが、血管年齢は「絶対の年齢」ではなく、あくまで換算された目安のスコアだということです。(編集部分析)測定方法や機器によって計算式が異なり、測定時の体調でも数値は動きます。「血管年齢70歳」という1つの数字が独り歩きしやすいのですが、本来の目的は、自覚症状のないまま静かに進む動脈硬化を早めに可視化し、生活を見直すきっかけにすることにあります。数値そのものに一喜一憂するためのものではありません。

血管年齢がどのように算出されるのか、流れで見てみましょう。

血管年齢が算出される流れ 脈波で硬さを測定 同年齢の平均と比較 血管年齢を表示

このように、血管年齢は複数の段階を経て「平均との比較」で導かれます。だからこそ、どの検査で測ったかによって数値の意味合いが変わってきます。

実際に数値が高く出たとき、それが何を意味するのか気になるところです。

Q. 血管年齢が実年齢より高いと、どんなリスクがありますか?

A. 動脈硬化が同年代より進んだサインで、将来の脳梗塞・心筋梗塞のリスクが高まります。症状が出る前の「見えない老化」を数値化したもので、高いほど早めの生活習慣の見直しが必要です。ただし1回の数値だけで判断せず、経過や他の検査と合わせて評価します。

では、その数値を出すための検査には、どのような種類があるのでしょうか。

血管年齢の調べ方は4つ|CAVI・baPWV・ABI・指先

血管年齢を調べる方法は、大きく分けて医療機関で行う「血圧脈波検査」と、薬局などで手軽にできる「指先の簡易測定」があります。血圧脈波検査には、目的の異なる3つの指標があります。

  • CAVI(心臓足首血管指数):心臓から足首までの動脈全体の硬さを評価します。測定時の血圧に影響されにくく、血管そのものの硬さを反映するのが特徴です。
  • baPWV(脈波伝播速度):上腕から足首へ脈波が伝わる速さを測ります。血管が硬いほど速くなりますが、測定時の血圧の影響を受けやすい指標です。
  • ABI(足関節上腕血圧比):足首と上腕の血圧の比から、主に足の動脈の詰まりを調べます。CAVIと同時に測定できます。

一方、ショッピングモールや薬局に置かれた指先タイプの機器は、指先の脈波の波形から血管年齢を推定する簡易測定です。(実務知見)現場の感覚として、この指先測定は精度が高いとは言えません。冷えや緊張、測定時の姿勢で数値が大きく動き、機器ごとに換算式も違うため、同じ人でも場所を変えると結果が変わることがあります。気づきのきっかけとしては有用ですが、「あれは簡易検査」と割り切り、数値を鵜呑みにしないことが大切です。

4つの方法の違いを整理すると、次のようになります。

検査方法測る対象血圧の影響位置づけ主な受検場所
CAVI(心臓足首血管指数)心臓〜足首の動脈全体の硬さ受けにくい医療検査・血管年齢の主指標循環器内科・健診
baPWV(脈波伝播速度)上腕〜足首の脈波の速さ受けやすい医療検査(血圧で変動)循環器内科・健診
ABI(足関節上腕血圧比)足の動脈の詰まり—(詰まりの指標)医療検査・CAVIと同時測定循環器内科・健診
加速度脈波(指先)指先の脈波の波形受けやすい簡易・目安(診断不可)薬局・健康イベント等

このように、正確に血管の状態を知りたいなら、医療機関のCAVI・ABIが基本となります。

手軽さから指先測定を試す方も多いため、その信頼性についても触れておきます。

Q. 指先で測る血管年齢は信頼できますか?

A. あくまで「目安」で、診断には使えません。指先の簡易測定は冷えや緊張で変動し、機器ごとに換算式も違うため数値がぶれます。気づきのきっかけには有用ですが、正確に知りたい場合は医療機関のCAVI・ABI検査をおすすめします。

次に、これらの検査を「どこで・いくらで」受けられるのかを見ていきます。

どこで測れる?費用はいくら?

血圧脈波検査(CAVI・ABI)は、循環器内科や内科のクリニック、人間ドックや健診のオプションで受けられます。検査は仰向けに寝て両腕・両足首に血圧計のカフを巻き、胸に心音マイクをつけるだけで、所要時間は5分ほど、痛みはありません。

費用は、保険診療か自費かで変わります。高血圧や糖尿病、脂質異常症など、動脈硬化が疑われる場合は保険が適用され、3割負担で約300〜400円が目安です(別途、初診料・再診料がかかります)。一方、症状がなく自主的に受ける場合や健診オプションでは自費となり、おおむね1,500〜3,300円程度が相場です。金額は医療機関によって幅があります。

「血管年齢検査 東京」のように地域で探す場合は、人間ドックの予約サイトでエリアと「血圧脈波検査」「血管年齢」のオプションを指定して絞り込むのが確実です。導入機器(フクダ電子のVaSeraなど)の有無は施設により異なるため、事前確認をおすすめします。

受検場所ごとの費用と特徴をまとめます。

受検場所費用の目安特徴
医療機関(保険適用)3割負担で約300〜400円高血圧・糖尿病など動脈硬化が疑われる場合。別途診察料
医療機関(自費)おおむね1,500〜3,300円症状がなく自主的に受ける場合
人間ドック・健診オプション約1,100〜2,000円前後ドック・健診に追加して受検
薬局・健康イベント(簡易)多くは無料指先測定。あくまで目安

費用だけで選ぶより、「何のために測るか」に合った場所を選ぶのが賢明です。

費用は受け方で大きく変わるため、保険の可否を含めて確認しておきましょう。

Q. 血管年齢の検査は保険でできますか?費用は?

A. 高血圧や糖尿病など動脈硬化が疑われる場合は保険適用で、3割負担で約300〜400円が目安です。症状がなく自主的に受ける場合は自費で、おおむね1,500〜3,300円程度です。いずれも別途初診料・再診料がかかり、金額は医療機関により異なります。

検査を受けたら、次は出てきた数値をどう読むかが問題になります。

結果の見方|基準値と「1回の数値で判断しない」理由

血圧脈波検査では、主に次の数値が示されます。

  • CAVI:8.0未満が正常範囲、8.0〜9.0が境界域、9.0以上で動脈硬化が進んでいると考えられます。
  • ABI:0.91〜1.40が正常範囲で、0.90以下だと足の動脈の詰まり(末梢動脈疾患)が疑われます。
  • baPWV:年齢などで基準は変わりますが、1400cm/秒前後から注意、1800cm/秒以上は高リスクの目安とされます。

CAVIの数値の目安を、スケールで見てみましょう。

CAVI値の目安 8.0 9.0 正常範囲 境界域 動脈硬化の疑い

ただし、これらの数値は1回の測定だけで決めつけられるものではありません。

ここで臨床検査技師として一つ補足します。(実務知見)降圧剤を服用している方では、baPWVの数値の読み方に注意が必要です。baPWVは測定時の血圧に左右されるため、薬で血圧が下がっている状態では、血管そのものの硬さが改善していなくても数値が低めに出ることがあります。(編集部分析)この点、CAVIは測定時の血圧に影響されにくいよう設計された指標なので、降圧剤を使っている方の血管の状態を追うなら、baPWVよりCAVIで見るほうが実態に近づきます。いずれにせよ、1回の数値ではなく、定期的に測って推移を追うことが重要です。

自分のCAVIがどのくらいから注意すべきか、目安を持っておくと安心です。

Q. CAVIはいくつから注意が必要ですか?

A. 9.0以上で動脈硬化が進んでいると考えられます。8.0未満が正常、8.0〜9.0が境界域の目安です。ただしCAVIが正常でも、同年代より血管年齢が高い人は進行が早いことがあり、数値だけでなく医師の総合判断が大切です。

なお、ここまでの「血管年齢」と混同されやすいのが「脳血管年齢」です。

「脳血管年齢」は別物|混同に注意

検索では「脳血管年齢」という言葉も見かけますが、(編集部分析)医学的に標準化された「脳血管年齢」という測定指標は確立されていません。CAVIやbaPWVで測る一般的な血管年齢は、あくまで全身の動脈の硬さを示すものです。脳の血管の状態は、脳ドックなどのMRI・MRA(画像検査)で別に評価します。

注意したいのは、全身の血管年齢と脳血管の実態は必ずしも一致しないことです。脈波の検査で「年齢相応」と出ても、画像検査では脳の血管がもっと進んで見えるケースもあります。「血管年齢が若い=脳血管も安心」とは限らないため、両者は分けて考えるのが安全です。

「脳の血管年齢も測れるのか」という疑問は多いので、ここで整理します。

Q. 脳血管年齢も測れますか?

A. 「脳血管年齢」という標準的な測定指標は確立されていません。一般的な血管年齢(CAVI等)は全身の動脈の硬さを示すもので、脳血管の状態はMRI・MRA(脳ドック)で別に評価します。両者は必ずしも一致しないため、混同しないことが大切です。

ここまで測り方と数値を見てきましたが、最も大切なのは「数値の先に何をするか」です。

数値に惑わされず、何を見て・どうすべきか

血管年齢だけ見ても意味がない|本当に見るべき指標

(編集部分析)血管年齢は便利な数字ですが、それ単独では動脈硬化の全体像はわかりません。動脈硬化は、血圧・LDL(悪玉)コレステロール・血糖(HbA1c)・喫煙・家族歴など、複数の要因が積み重なって進みます。血管年齢が若く出ても、血圧やコレステロールが高ければリスクは残ります。逆に血管年齢が高めでも、他の指標が良好なら過度に恐れる必要はありません。一つの数字で安心も不安もせず、健診結果を「セット」で、しかも前年との推移で見ることが、本当に見るべき読み方です。

下げにいく前に|過降圧という落とし穴と「個別化」

数値が気になると「とにかく下げよう」と考えがちですが、(編集部分析)ここには落とし穴があります。日本での高血圧の診断基準は診察室で140/90mmHgと、長く据え置かれています。一方で「降圧目標(どこまで下げるか)」は近年130/80mmHg前後へと引き下げられ、対象となる人は実質的に広がってきました。これは予防の観点からの流れですが、誰もが一律に低ければ良いというわけではありません。

特に、脳の血管に狭窄がある方や脳梗塞の既往がある方では、血圧を下げすぎるとかえって脳への血流が不足し、脳梗塞を招くことがあります(Jカーブ現象)。これは「特定の状態にある人」で注意すべき話で、健康な人すべてに当てはまるものではありませんが、年齢や持病に応じた「個別化」が大切だという根拠になります。だからこそ、まず自分の血管の状態を測って知ることに意味があるのです。なお、血圧の薬を自己判断で減らしたり止めたりするのは危険です。薬の変更は、必ず主治医に相談してください。

結局どうすべきか|測る→整える→推移を追う

(編集部分析)血管年齢との正しい付き合い方は、シンプルです。まず測って現状を知り、次に生活習慣を整え、定期的に再測定して推移を追う——この3ステップです。整える中身は、減塩、適度な運動、禁煙、そして食事の見直しが基本になります。1回の数値に振り回されるのではなく、半年〜1年ごとに測り直して「方向」を確認することが、動脈硬化と上手につき合うコツです。

食事からの対策をもう一歩踏み込みたい方は、こちらもご覧ください。

📌 血管年齢が気になったら、次は食事からの対策を。
→ アンチエイジング食べ物|臨床検査技師が検査値とエビデンスで解説

血管年齢のよくある質問

最後に、検索でよく寄せられる疑問をまとめます。

Q. 血管年齢は自宅で測れますか?

A. 市販の指先タイプで「目安」は測れますが、医療用の精度はありません。家庭用血圧計は血圧を測る機器で、血管の硬さ(血管年齢)そのものは測れません。正確に知るには医療機関の血圧脈波検査が必要です。

Q. 血管年齢検査はどこの病院で受けられますか?

A. 循環器内科や内科クリニック、人間ドック・健診のオプションで受けられます。東京など都市部では、人間ドック予約サイトで「血圧脈波検査」「血管年齢」をエリアで絞るのが確実です。導入機器(フクダ電子のVaSera等)の有無は各施設にご確認ください。

疑問が解消できたら、ぜひ一度ご自身の血管年齢を測ることから始めてみてください。

参考情報

  • 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」 https://www.jpnsh.jp/
  • フクダ電子「動脈硬化net」(CAVI・ABIの解説) https://www.domyaku.net/
  • 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」 https://www.j-athero.org/
  • 厚生労働省「人口動態統計」
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