リブレは血糖測定に便利なようだけど何に役立つ?データはどんな活用法がある?データ自体は信頼できるの?使ってかゆみとかどう?
こんな疑問に答えます。
自己紹介健診→治験→病院勤務医療の現場で15年以上臨床検査技師として働いています。もちろん検査キットも、大量に使いました。エビデンスをもとに検査技師として検査や病気について、専門用語は使わずにわかりやすい記事を書いています。ゆき@技師ブロガー (@NC0bK9MAWcyVeSa)です。
リブレでわかること
リブレとは、グルコース(ブドウ糖)濃度を測定できる機械で、15分毎に測定できることが特徴として挙げられます。
それにより、食事をとった直後のグルコース濃度の動き変化を知ることが出来ます。
一つの利用方法としては、食事の食べる順番によってグルコースの上がり方が違います。それを15分毎にモニタすることによって、グルコースが急激に上がる食べ方、食べ物を数字で見ることが出来ます。
いわゆる、血糖値スパイクと血糖トレンドを間接的にモニタすることが出来ます。なぜ間接的と表現したのかは後で記載します。
血糖値(グルコース)スパイクというのは、食後に血糖値が急上昇(食後高血糖)し、その後急降下することなんじゃ。激しく血糖値が変動することによって、食後に眠気や頭痛などを感じることもある。この状態を放置しておくと、2型糖尿病になるリスクが高くなるし、最近では、動脈硬化の進行が早まるとも言われとる。
ところが、この血糖値スパイクが起こっている人でも、空腹時血糖値はそれほど高くないから、血糖値の平均を表すHbA1cの値は正常なまま。だから、健康診断ではわからないことが多い。
糖尿病ネットワークから引用
つまり、2型糖尿病のリスクと動脈硬化進行のリスクを管理することが出来ます。
人によって血糖トレンドは違いますし、血糖スパイクを起こしているかどうかもモニタすることが出来ます。
既に2型の方もそうですが、まだ糖尿病になってなくて、そしてHbA1cの値が正常の人でもモニタする意味があります。
糖尿病になると、色々な制限がかかり日常生活も大変です。
健康な内に血糖をコントロールして、生活習慣の改善と、動脈硬化の進行を抑えることが出来る情報を手に入れましょう。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因となりますから、その予防にも繋がるわけですね。
つける場所について
二の腕。
実は二の腕以外にもつけることは可能ではありますが、他の部位でのデータがないので測定値の保障がされません。
二の腕が一番痛みもないでしょうから、無難に二の腕で行きましょう!
かゆみ・かぶれについて
かぶれが出たら、すぐに使用をやめてもらった方がいいです。
医療機関では同意書を取って行っています。
個人差があるので、かゆみが出る人、かぶれる人も中にはいるようです。
でもそもそも付けているので、多少の違和感は当然あります。違和感が1日以上続くようでしたら外した方がいいと思います。
針の長さ
短いです。5mmです。
センサー自体には針はなく、やわらかいペラペラのフィルムのようなもので出来ています。
それを、センサーアプリケーターにセットしてセンサー装着を行います。
センサーアプリケーターの方に針が付いていて、それを腕に押し当てて装着になります。
その際に、出血することがあります、出血が止まらない場合は病院へ!
取り外し
14日間経過すると、自動的に機能が停止します。それとメッセージも出ます。「Reader」が表示。
剥がすときはガムテープみたいな感じでついていますので、ゆっくり剥がしましょう。
剥がれないときは、センサーは使い捨てなので、温かいお湯や、石鹸水で剥がしましょう!
データの信頼性
血糖値とは違う
リブレは間質液中のグルコース濃度を測定しています。通常皆様の良く知っている値は血糖値です。
リブレの場合は、間質液を測定するので血糖値ではありません。しかし血糖値と相関性が高いので同じような管理が出来るというモノです。
相関性というのは、2つの数値が同じ動きをすることを指します。関連性のある項目という感じです。
ここでは血糖値=間質液中のグルコース濃度ということを指します。でも全く同じではないので、注意してください。
そして血糖値とは10~15分のタイムラグがあります。間質液中にグルコースが滲出するのに時間がかかるので、タイムラグが出ます。
糖尿病で、インスリンを使っている方はこの辺要注意です。
MARD
平均絶対的相対的差異(MARD)が臨床試験においてSMBGと比べ11.4%を達成したそうです。
なんのこっちゃっと思いますよね?私もMARDってなに?って感じでしたのでわからなくて良い話です。
かんたんに説明すれば、血糖自己測定器とくらべて、何回も何日も測ったグルコース濃度は11.4%の範囲の中の差しかありませんでした。
ってことです。ざっくり言えば自己血糖測定とあまりかわりないよってこと。
11.4をどうとらえるかによりますが、臨床的にはギリギリ許容できる範囲だと思います。
日差変動
日差変動とは、測定日によって変化を起こしますか?ということを見ています。
これも問題ないようです。
同時再現性のデータはない
また専門用語になってしまいますが、同時再現性というのがデータの信頼性をみる指標としてあります。
このデータを取っていないようです。
100mg/dlの濃度の液体があったとしましょう。
それを何回も測って、100と結果が出るかの試すテストです。何度やっても100と出るのが一番素晴らしいのですが、どのくらいの誤差が出るかをデータを取るのです。
それをやっていないようです。欲しいデータなのですが、アボットに問い合わせたので間違いありません。
エラーやトラブルが起こった場合
返品は簡単。
amazonなどの購入先ではなく、アボットに直接問い合わせで良いようです。
コールセンター 0120-37-8055
不良品だった場合、交換も対応してくれるようです。
注意点
インスリンを使用している人は注意。
先ほども、少し触れましたが、測定値が実際の血糖値とは15分程度遅れます。
なので、インスリンをを打つ場合にはそれを加味して実施しないといけません。
これを間違うと大変なので、ちゃんと理解したうえで使用しインスリンを打ってください。
まとめ
センサーがこちら
リーダーがこちら
センサーとリーダーがそれぞれ必要になります。リーダーは何度も使えますので、センサーを買い足せば1か月とかも見ることが出来ます。
データに関しては不安が残るといのが、正直な意見です。
とはいえ、その誤差があることを理解して使用するのであれば問題ないとも思います。
どのデータもそうですが、参考資料なのでそれをどう使うかが大切になってきます。
やや俯瞰してデータを見るようにしてください。おおむねこの食べ方は血糖値が上がる食べ方だという感じで使うといいと思います。
データの使い方
食べる順番によって、血糖の上がり方の違いがモニタできる。
POINT➡糖尿病患者さんは70~180mg/dl
➡健常人は70~140mg/dl
の範囲に入るように血糖をコントロールしながら、食事をとるようにするといいと思います。血糖トレンドを把握できれば、食べ方も学べると思います。
食べ方を学習➡血糖スパイク防ぐ➡動脈硬化予防➡糖尿病予防。