・まだ症状が出ていないけど検査で陽性になるの?
・熱が出てきた病院に行って検査したほうがいい?
・発症8時間とか聞くどそんなに待てないよ。
自己紹介健診→治験→中核病院。
現在は経営課所属。エビデンスをもとに検査技師として検査や病気について、専門用語は使わずにわかりやすい記事を書いています。
もちろん検査キットも、大量に使いました。
この記事でわかること
・インフルエンザが疑われる症状
・インフルエンザ検査で陽性になる時間
・インフルエンザワクチンの勘違い
インフルエンザの疑われる症状
インフルエンザの流行はオリンピックと同じで4年毎とか言われますが、毎年かなりの猛威を振るっております。
今年も運悪くインフルエンザに罹った、かもしれない症状が疑われたら直ぐに病院に行って下さい。
このあと書いていますが、症状が出たらすぐにでも病院に行って大丈夫です。インフルエンザにかかっていて症状が出ているなら、検査キットは陽性になります。
とりあえず、インフルエンザの疑わしい症状を先に紹介します。
基本的には風邪に似ています。
それ以外の特徴的な部分に触れておきます。
- POINT高熱(38~40度)
- 関節痛
- 筋肉痛
- 全身倦怠感
この辺が風邪とは異なります。
特に高熱です。1~3日程度の潜伏期間を経て症状がでますが、38度以上の高熱が出ます。一般的にはこの38度というのが判断の基準になります。
インフルエンザのワクチンの目的は予防です、先にインフルエンザの抗体を体に接種して免疫を作ります。
しかし罹らなくなるわけではありません。
罹ります。
以前病院で検査している時に、熱は37.0度までしか上がっていないがインフルエンザの疑いで検査が出ました。発熱後2日たっていた患者ですが、インフルエンザ検査は陽性になりました。
インフルエンザワクチンを接種している場合は、発熱だけでの判断はできないと思った方がいいと思います。
インフルエンザワクチンに関しては後で詳しく書きます。
インフルエンザ検査キットで陽性になる時間
A型陽性の検査キット
検査キットで陽性になる時間
上の画像はA型が陽性の場合の検査キットです。このくらいはっきりくっきりでれば間違いなく陽性ですね。
ちなみにCの部分はコントロールのCです。C型ではありません。
このコントロールが出ない場合は、「検体が不良」「検査キットが不良」などの場合があります。
この0時間というのは発症0時間、症状がでてから0時間経過です。つまり感染してからは1~3日は経った状態です。
先ほども少し書きましたが、ワクチンを接種している場合症状は軽減される傾向にあります。
つまり症状はさして出て居なくても、体内のウィルスの量は増えていることが考えられます。
なので症状が出た時間、0時間での検査が可能なのです。
体の中ではウイルスの量がだんだんと増えてきます、それがある一定量を超えると症状として現れます。
なので、それ以前にウイルスは体の中にあり検査キットで検出可能なのです。
これに関しては検討段階でどのように臨床データを取ったのかよくわからないので、何とも言えない検査キットもあります。
検査キットの種類によっては0時間から検査可能です。それに検出感度は年々向上しています。
検査キットの違いから6時間が妥当
上の画像が陽性が薄く出る場合、体内のウイルス量が少なければ薄く出る事もあります。しかしこれも陽性。
説明書にも書いてありますが、わずかでもラインが認められたら「陽性」と判断します。
因みに時間に関しては、検査キットによって異なります。
毎年物凄い数が販売されているインフルエンザの検査キットです。各社競っていいものを出しています。それぞれの特徴も異なります。
検査方法が簡単になっていたり、結果の見方がわかりやすくなっていたり、0時間でも陽性になったりです。
病院によって、どの検査キットを使っているかわかりません。私がいた病院では、外来と入院で検査キットを違うものを使っていました。
こんなこともあるので、一概にこうだとは言えないので0時間で陽性の結果が得られるとは言い切れない部分もありますので、注意してください。
それに時間が経てば経つほど、ウィルスの量は増えますので、陽性になる確率も高くなります。0時間では90%程度の陽性率と言われています。
検査キットよりも採取方法
検査キットの結果は、採取方法で結果が変わります。検体の採取方法としては
- 鼻腔ぬぐい液
- 鼻腔吸引液
- 咽頭ぬくい液
これも検査キットによって陽性一致率がことなる。陽性一致率とはこの場合、検査キット陽性と判断されて同じ検体を別の高感度検査法と比べてあっているかどうかということ。
この一致率が高ければ高いほど、いい検査キットということにもなります。
この3つの方法で一番いいのが、鼻腔吸引液です。次いで鼻腔ぬぐい液、最後は咽頭ぬぐい液です。
これも陽性一致だけ考えればそうなのですが、陰性一致率もあり、それを複合的に考える全体一致率もあります。それぞれ一長一短あります。
そこで採取が比較的簡単で、一致率の高い鼻腔ぬぐい液が一般的な採取方になっています。鼻ぐりぐりされるやつです。
疑わしければ病院へそして早めの対応
インフルエンザが疑われれば、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬が処方されます。
これは体内のウイルスを破壊するクスリではありません。ウイルスが体内で増幅しないようにする効果の薬です。
2019年にゾフルーザという新薬がでました、この薬はウイルスを破壊する効果のある薬です。色々メリットもあるのですが、出たばかりの薬は様子を見たほうがいいです。
耐性菌の報告もあるようなので、今後の情報を待ちましょう。
インフルエンザワクチンに関する勘違い
インフルエンザワクチンでインフルエンザにならない
結論から言えば、なります。
大学病院看護師を対象にした、インフルエンザ感染のコホート調査の論文があります。
看護師539名を対象に、ワクチン接種をしてその感染率の違いを調べています。
ワクチン接種者は492名、未接種者は44名。インフルエンザ診断キットによる確定罹患者は32名あったが、そのうちワクチン接種者の罹患率は6.1% (30/492名)、未接種者での罹患率は4.5% (2/44名) であった。
という結果です。
罹患率というのは、インフルエンザに罹った確率です。発症した確率と考えても大丈夫です。
面白いのは、母数が未接種が低くて何とも言えませんが、未接種者の方が感染していない点です。
これに関しては後述で、家族からの感染があったためワクチン接種者も罹患率を高めたとあります。
環境によってもでしょうが、未接種でも物凄く高くなるわけではないのがお分かりいただけると思います。
インフルエンザワクチンは症状緩和が目的
インフルエンザワクチンを接種してもインフルエンザに感染します。じゃあなぜインフルエンザワクチンを打つのかというば、重症化させないためです。
高齢者や基礎疾患のある方は重症化する可能性が高いため、定期予防接種の対象にもなっています。詳しくは厚労省で。平成30年度 今冬のインフルエンザ総合対策について|厚生労働省
インフルエンザワクチンの必要な人
インフルエンザワクチンが必要な人
・医療従事者
・小児の親
・幼稚園の先生
・小学校の先生
などは特にインフルエンザワクチンを打っておいた方がいいでしょう。先生という立場から多くの子供に接するので、感染を拡大させてしまう恐れがあります。
インフルエンザ検査キットは個人で購入できるのか?
結論から言います。インフルエンザ検査キットは個人での購入はできません。体外診断薬になっているので、基本的には病院でしか取り扱いません。
熱が出て、インフルエンザなのか心配。今後の為にも検査キットを手元に置いておきたいと思っているかもしれません。
しかし体外診断用医薬品はネット販売はされません。残念ですが、その都度病院に行って検査をして下さい。
インフルエンザまとめ
インフルエンザの検査キットは毎年毎年変わります。これを書いているのが2018年なので、2019年にはもっと素晴らしい検査キットがでているかもしれません。
検査キットに関してのエビデンスも、変わりやすいので注意してください。
そしてもっと注意が、インフルエンザのキットが陰性であったとしても医師が症状、環境から鑑みてインフルエンザと診断することはあります。
検査キットも補助ツールなので、医師の判断が確定診断なので注意です。
検査キットは便利です。誰でも簡単に検査可能ですからこれからもっと普及するでしょう。個人でも買える検査キットも増えてきました。